黄昏時 圭介がリビングでギターを弾き歌っている。 録音しているようだ。 その録音が終わる。 テープレコーダーからカセットテープを取り出す。 カセットテープを壜に入れる。 電話が鳴る。 電話に出る。
圭介
あ、藤堂さん?はい、そうなんスよ、あと一歩のところで逃げられちゃいました。そうなんスよ、金もぜ~んぶ持って行かれちゃって。・・・半年もかけて仕込んだのに全部パーです。ええ、次はもっと手っ取り早く稼げるシナリオにして下さいよ。・・・もちろん、チラシ配りのほうは続けますんで、仕事回して下さい。あ、そうですか、それじゃ明日また取りにいきます、ええ、それじゃ
電話を切る。 電話機を見つめる。 壜を手に取る。 壜をしばらく眺める。 小さな躊躇の後、壜を、ダンボールに入れる。
伝票を手に取る。 伝票をしばらく眺める。 伝票をダンボールの上にポンと置く。 室内は黄昏てゆく。 音楽ボリュームアップ 暗転
終演