深夜バスに乗って、九州から上京して来た佐竹ケンジは、千歳烏山に安いアパートを借りて暮らすようになった。居酒屋で働く日々の中で、彼はバンドを組み、ライブハウスに出演し、少しは人気も出るようになってゆく。しかし10年後、バンドは跡形もなく解散し、彼は西調布に移り住み、仕事はコンビニの店員に変わっていた。
これは、ダイナマイト佐竹が、まだ本当の挫折を知らない時代の、本人はイケてたつもりの、お気楽なロックである。
にっぽんの真ん中にチャンスがあると言うから
深夜バスに揺られて西の町から来たよ
シンガーか俳優か レスラーにでもなろうと
大都会の片隅 安いアパートで暮らす
どんな努力なら 夢は叶うのか
それを見つけにやって来た街で
見えない明日を手探りでゆく
烏山の居酒屋で深夜勤務の毎日
きつい仕事はイヤじゃない 他に何も出来ないし
携帯電話の向こう 残して来た君の声
たいした距離じゃないのに会えないのは淋しい
どんな努力なら 夢は叶うのか
それを見つけにやって来た街で
見えない明日を手探りでゆく
運命を今日こそ 変えてやるつもりで
何日も朝をむかえ 変わらない夜が来る
待っていてくれるだろう このままじゃ終わらない
なんの根拠もないけど がむしゃらにやってみる
どんな努力なら 夢は叶うのか
それを見つけにやって来た街で
見えない明日を手探りでゆく
銭湯帰りの道で ある日チャンスを見つけた
電信柱に貼ってあったライブハウスのちらしさ
そんなことがきっかけで いまこうして歌ってる
あの頃よりいくらかは もまれながら生きてる
どんな努力なら 夢は叶うのか
それを見つけにやって来た街で
見えない明日を手探りでゆく
君にもらったお守り ワニの牙のペンダント
大事なライブの日には忘れずにつけてるよ
見てくれよ夏なのに 重いブーツを履いてさ
靴底には穴があき雨でも降れば悲劇だ
どんな努力なら 夢は叶うのか
それを見つけにやって来た街で
見えない明日を手探りでゆく
どんな努力なら 夢は叶うのか
答えなんかどこにもない街で
俺は途方に暮れかけている
どんな努力なら 夢は叶うのか
果てしなく続く闇の向こうに
きっと大きな光はある
そして10年後――バンドは解散し、佐竹ケンジの夢は砕け散ります。しかし、彼はあるとき、一念発起、もう一度立ち上がるのです。
ふたり芝居『ダイナマイト佐竹くん』
レコード会社のロビーに乗り込み、社長を呼べと迫る男。彼の名前は佐竹ケンジ?いいや、違う。彼の名前は、ダイナマイト佐竹!